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このたび、第32回日本小児外科学会秋季シンポジウムを、PSJM2016 (Pediatric Surgery Joint Meeting 201)と合同で、さいたま市で開催させていただくことになりました。PSJMの5つの研究会、日本小児内視鏡外科・手術手技研究会(第36回 漆原直人会長)、日本小児呼吸器外科研究会(第27回 仁尾正記会長)、日本小児外科代謝研究会(第46回 川原央好会長)、直腸肛門奇形研究会(第73回 廣部誠一会長)、日本小児外科漢方研究会(第21回 窪田正幸会長)は、10月27 (木)、28(金)日の2日間、秋季シンポジウムは29日(土)に、大宮ソニックシティで開きます。
今回の秋季シンポジウムの主題は「トランジション」です。小児外科疾患のこども達が成人し、社会で活躍するようになった現在、成人後のフォローアップをどこで行うのが適切なのでしょうか。小児外科疾患で、手術や処置、ふだんの疾患管理、あるいは定期検査が引き続き必要な場合、成人後はそれをどこで行うのか。こどものときに「治った」と思われていた疾患が、成人期に再び、あるいは新たな問題を生じたときに、どう対処するのか。決まりはなく、それぞれの事情に応じて決めていくことだと思います。あのたいへんな病気のこどもが成人したという喜び、それと共に、成人施設への移行を図るとき、あるいは小児外科医が引き続きみていくときにも、それぞれ問題が出てくるのが現状です。
現時点での問題点と、現場のわれわれの対処を、いろいろな面から討論したいと考えています。また、せっかくPSJMと合同で行いますので、各研究会にも、このトランジションをいっしょに考えてほしいと要望しました。62題と予想よりも多くの演題を応募いただき、いずれも深い内容で、この問題の重要さを再認識しました。6つのセッションにわけ、うち3つが各疾患群について、3つが総論的なセッションとしました。1日で討論するには時間が足りないため、一部の演題を各研究会に振り分けざるをえませんでした。また疾患群のうち、胆管系のセッションを前日に移行することにしましたが、秋季シンポジウムは1日で行うという原則のため、やむをえず研究会会長のご好意で、日本小児内視鏡外科・手術手技研究会の最終セッションにふりかえました。秋季シンポジウムとして応募していただいたかたがたには、たいへん申し訳ありませんが、しっかりと討論するということで、ご容赦いただきたいと存じます。総論のところでは、いろいろな立場から演題をお願いしましたので、どうあるべきかの総合的な討論ができると思います。また、「心を耕そう」をスローガンに全国を法話行脚なさっている薬師寺の大谷鉄奘師に、文化講演をお願いしました。
10月29日は、さいたま新都心で、2016ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムという、自転車のロードレースが行われます。自転車競技のスーパースター達が参加しますので人気が高く、大宮付近も学会期間は混雑が予想されます。われわれも、これに負けない熱気のこもった討論ができることを願っています。